こんにちは、ドルチェアンドガッバーナの香水を嗅いだことはないけど、それの歌が流行っているのは知ってます。
最近読んだ本でよかった小説があったので紹介します。
「法廷遊戯」五十嵐律人著 講談社です。
リーガルミステリーです。
著者は岩手県の出身。
私が、青森市でふらっと入った本屋で、それの宣伝チラシを持ち帰り、チラシを見てるうちに読みたくなり、読んだら期待を越えてきた。
法に関する知識が正確で、それを易しい表現で表していて、展開が最後の1ページまで、「まさか」の連続で、リアルな物語、つまりフィクションのリアルさが行きついた到達点ではないかと思った。
著者が司法試験に合格してるのも頷ける。司法試験の答案の合格水準以上の文章で全編書かれていると感じた。それほど全体の構成が素晴らしく、一つ一つの出来事が過不足なく小説のテーマに組み込まれていく。それが、読者のワクワクを加速させる。
いわゆる、エンターテインメントではなくミステリーであるので、奇怪な事件が起こる。そして、とりわけ刑事事件を扱っていることから、ともすれば暗くて重いテーマになりがちであるのに、実際、物語の中ではネガティブな事件が起こるわけであるのに、読後の爽やかさはなんだろう。
しかも、それらの事件が解決されたわけではなく、読者に託される形で終わっているのにである。
司法制度を堅苦しい枠とだけ捉えるのではなく、法律を本当に楽しいものだと考えている著者のメッセージが行間から溢れているからではないか。
制度の底流に流れている法の哲学、罪と罰、権利と義務、えん罪と無罪、そして人間を材料にどれだけ面白い絵を描けるか。
著者の今後の活躍に期待したい。と同時に、読者の中に植え付けられた物語がどういう風に育っていくのかにワクワクしている。多分、全ての法学部出身者を救う書でもあろう。法の下に平等な全ての人に読んでもらいたい。
果たして、人は平等なのか?
読んだ小説が生き方の一部になるかも知れないので、読書は好きです。
わげブログで時々ある、書評コーナーでした。
香水で思い出すのは、何ですか?ウルトラマリン?
やす