電車の中で、外の景色を楽しんでる人や、小説を読んでる人に共感を覚える。
日本三景の一つである松島の海岸を電車が通過しているとき、ほとんど全員がスマホから顔を上げようとしなかった、朝日が水面に反射した素晴らしい景色が窓の外にあるというのに。
いいのかどうか分からないが、人間の生き方が劇的に変化しているということは言えそうだ。
読むべき紙の本が世の中にこんなにも溢れていることを、スマホに没頭してる人は知っているのだろうか。
今や、少数派となりつつある読書家諸氏に、本の紹介をしたいと思う。もっとも、読書家といわれる人なら既に読んだかもしれないが。
ある文学賞に選ばれた作品を全部読んでみるということをしている。新井さんという書店員が選んだ「新井賞」というものだ。
それがまた、どれもがいちいち外さない一冊である。どころか、読みだしたら止まらない、琴線に触れまくる事必至な本ばかりなのです。
共通点としては、ろくでもない男や、ろくでもない女が出てきて、更に堕ちていく話、救いはあったりなかったり、読者に余韻を残す形で終わったり。
自分はちょっとはマシなんじゃないかと、気休めに思わせてくれるから、フィクションとはいえ、他人の不幸が大好物で、そんなものに支えられて生きている自分が情けなく恥ずかしい・・・といえる自分も結局はカッコつけ?
というような自問自答がこれらの小説には付きまとう。いわゆる健全な書物ではないかもしれない、文科省とかで勧めるような。では健全って、普通って何?
前置きは以上
1、「男ともだち」千早茜
2、「イノセントデイズ」早見和真
3、「朝が来る」辻村深月
4、「坂の途中の家」角田光代
5、「やがて海へと届く」綾瀬まる
6、「獏の耳たぶ」芦沢央
7、「砂上」桜木紫乃
やす