日々を楽しくするために、旅がある。
旅という、ちょっとした非日常を今、反芻することで楽しい気分でいられる。
それを見て楽しんでくれる人がいれば、さらに嬉しい。紀行文が存在する意義だと思う。
さて、朝の散歩から一旦部屋に帰って、今日の計画をなんとなしに組み立てようとし、ざっくりと一二カ所候補を念頭に置いて、あとは歩きながら考えることにした。
青葉城恋唄を歌いながら徒歩で松山城へ向かった。1日目より日差しが強く、暑さも厳しい。ただ時折さわやかな風が吹いて、それで凌げる。
松山城の麓まできてそこからリフトに乗った。
小学生の時にスキー場で乗るのに失敗して何回も止めた経験があり、リフトに乗ることは得意なことの一つとなっている。
落下防止のネットに、短いけど心揺さぶる言葉が貼ってあり、周りの景色と共にもてなしてくれる。
こんな所にも、町中が文学であふれている。
城に着く。やはり、名城と言われるだけある。観光客も多い。
ちょっとした山になっていて、その上に城がある。差し詰め山形でいうところの千歳山のように、市民の健康登山の山としても親しまれているようだ。
そこから、もう一ヶ所行っておきたいところがあり向かった。松山市駅から電車で15分程度の港町三津浜である。
観光地として有名ではないし、ただのひと気のない漁港に着いた時は、盛大に失敗したかな、と思った。
しかし、波止場から引き返すとき違う道を通ってたら、予約専門の鯛飯専門店、「鯛や」があり、ダメ元で入ってみたところ、大丈夫ですとなったので、この古民家の店で鯛飯のランチをとったのである。
そして鯛やの玄関口にあった「三津お散歩マップ」を入手してからは、三津浜の見どころを見て回ることができた。
実は見どころ満載の街で数時間で回り切れるものではなかった。というか、何度も訪れてゆっくり魅力を発見していくような街かもしれない。一つ心残りがあるとするならばソウルフード三津浜焼きを食べる時間がなかったことだ。
いつかの機会に。
↑大正13年の建物
↑なんだかわかんないけどオシャレな建物
↑石畳の路地
↑大正レトロモダンな旧医院、今はシェアオフィスみたいな感じ。
昭和レトロな空き家や古民家を活用したショップや町おこし活動など、多要素が混在していて現在進行形の町といった感じ。新潟だと沼垂辺りがそんな感じだったように思う。こういう町は楽しい。
つづく
やす