人間の実存が、経験と認識であるならば、本は安全かつ確実なタイムマシンであるだろう。
と、図書館を徘徊しながら思った。
それが書かれた時代に、作者の認識を通して、タイムスリップできるのだ。
場合によっては、紀元前に飛ぶこともできるし、時代は自由に選べる。
間違って歴史を変えてしまう危険性もない。
こういった、タイムスリップをして遊んでいたら、時間がいくらあっても足りなくなる。でも、こういう未来人的な遊びは、現時点において生産的とされている産業ないしは労働よりも価値がないといえるだろうか。
まずは皆さん自身でタイムスリップを楽しんでください。
私はいつか、その時間旅行のツアーガイドという職業を確立したいと思います。
本という言語表現に限らず、絵や彫刻や音楽なども、それが作られた時代に経験的に認識しにいく乗り物になりうるでしょう。
世界をもっと高次元のものとして捉えたいという人々の欲求を満たすために、まずはガイドブックを作らなければ。
これは、人手が要る仕事になるかもしれない。
物理的な話ではありません。
要は、本をたくさん読みましょうという、小学生の時図書室の先生に言われたことと同じことを言ってるだけです。
そして、安全と書きましたが、読書ほど危険なものもないと、ある意味では言えますのでその辺は自分の責任で。
では、行ってらっしゃい。
おススメ本「ラタタタム」
文:ペーター・ニクル
絵:ビネッテ・シュレーダー
やす