「ワンルームより」
ため息すらも出ないような
日曜日の翌日に
君の抜け殻が 白いシャツにネクタイをして出ていった
退屈でしかない学校や
苦痛でしかない会社に
通うことを続けることに
どれだけの意味があるのだろうか
いみな いみな いみなーいさ
行ってきますと出ていった君が
憔悴した顔で 帰ってくる夕方に
やっぱりと思うのだ
君は全然悪くない
本当におつかれさま
ただいまという君の心をとらえたときに
わたしはそっとねぎらうのだ
かべにある耳と障子にある目に
できることといえばそれぐらいだ
そして、でもね、だから
我が入居者たる君が
もっとも輝いてるのが
表情の消えた、無意味な覚悟をもって
部屋から出ていく
月曜日の朝のあの瞬間
であることも確かなんだよな
やす